ホテルやレストランで気軽に楽しめるアフタヌーンティー。ちょっと贅沢したいときや大人の女子会にぴったりです。
しかしアフタヌーンティーは高貴な雰囲気もあり、慣れない食器も多いので、「マナーや作法がわからない」と不安な人も多いのでは？「ケーキやサンドイッチの食べる順番がわからない」「正しい紅茶の飲み方は？」など、意外に理解しきれていないアフタヌーンティーのマナーは多いはず。
今回は、知っているともっと優雅な気分になれるアフタヌーンティーの基本作法やマナーについて解説します。事前にわかっておけばそわそわした気持ちにならず、ゆっくりと余裕を持ってお食事を楽しめます！
アフタヌーンティーの基本メニュー
まずは、アフタヌーンティーを構成する基本のメニューからご紹介します。
ホテルやレストランによって、細かな内容は異なる場合がありますが、どこのお店でも必ず出てくる基本的な3つの要素を解説します。
ドリンク
アフタヌーンティーは、元々英国の上流階級が社交の場として楽しんだお茶の席。サンドイッチやお菓子などと一緒に楽しむ午後のティータイムのことであり、メインとなるドリンクは、温かい紅茶です。
イギリスの紅茶は、すべてミルクと合うようなものになっているので、ストレートはもちろん、ミルクティーとしても楽しめます。お店や季節によって、出される紅茶の種類が異なるのも楽しいポイント。いろいろな種類の紅茶を楽しめる場合もあります。
お店によっては、その他にシャンパンやスパークリングワインなどのウェルカムドリンクがついている場合もあります。
ティースタンド
アフタヌーンと言えば、3段のティースタンド。一般的には、下から
- サンドイッチなどのセイボリー（塩気のある甘くない食べ物）
- スコーン
- デザート（ペストリー）
の３要素で構成されています。
しかし、最近ではこの３つのメニューにこだわっていない場合も多くあり、さまざまなメニューで提供されているようです。
なかなか家では用意できないティースタンドは、アフタヌーンティーならでは！いちごなどの季節の果物のデザートだったり、和風デザートだったり、お店によってそのメニューもさまざまです。
アミューズ
基本的なアフタヌーンティーのメニューである紅茶とティースタンド以外にも、アミューズと呼ばれるちょっとした食事が提供される場合もあります。ピクルスやサラダ、フォカッチャやスープなどがこれにあたります。
アフタヌーンティーでは、ティースタンドと紅茶が基本メニューであり、アミューズはおまけのようなもの。お店によって提供の有無やメニュー内容は異なるので、気になる場合はあらかじめメニューで確認しておくとよいでしょう。
食事｜アフタヌーンティーの正しい作法
それではアフタヌーンティーの正しい作法について解説しましょう。まずは、ティースタンドで提供される食べ物の方から、正しいマナーを紹介します。
食べる順番
ティースタンドに乗っている食べ物は、下から順に食べるのが基本的なマナーです。アミューズが提供されている場合は、アミューズを先に食し、ティースタンドを下から順に食べましょう。
お皿の中の食べ物については、明確な順序はありませんが、味の薄いものから順に食べるのがおすすめ。味の濃いものから食べてしまったが故に、味がよくわからなくなってしまうといったことが避けられます。しかしながら明確な決まりではないので、ちょっと意識しておく程度でよいでしょう。
ティースタンドの内容や乗せられている順序は、お店によっても異なる場合がありますが、下から順番に食べることを理解しておけばOK！
ティースタンドのお皿は外さない
ティースタンドは、お皿がフレームに乗せられていますが、このお皿を外してしまうのはマナー違反です。ちょっと不便かもしれませんが、お皿にのったお料理は、ナイフとフォークを使って自分のお皿に取り分けるのが正しい作法です。
このとき手を使ってお料理を取りたくなってしまうかもしれませんが、ナイフとフォークを使って取り分けるようにしましょう。自分の向きに合わせてお皿を回すことはOKです。
またお皿に乗せるのは、2～3つ程度が目安。ゆっくりと食事を楽しみながら、こまめに取り分けるようにしましょう。
基本的にはナイフとフォークを使う
先述した通り、取り分ける際だけでなく、食べるときも基本的にはナイフとフォークを使いましょう。サンドイッチやデザートなどは、手で食べたくなってしまいますが、カトラリーを使って食すのが美しい所作です。一口で食べられないものについては、ナイフを使って切り分けて食べるのがよいでしょう。
パンやスコーンは手でちぎって食べる
基本的にはナイフとフォークを使って食べると説明しましたが、スコーンやパンについては手で食べることが正しいマナー。スコーンやパンは神聖なものと考えれており、ナイフを使ってはいけないとされています。一口で食べられないパンやスコーンは、手でちぎりながら食べましょう。
スコーンは、スライスするよう上下に割るのが基本。一緒に提供されるクロテッドクリームやジャムを一口分ずつ塗って食すのが美しい作法です。
最近では、シェフの意向やお店のコンセプトにより、スコーンが硬めに作られている場合もあります。どうしても硬くて手でちぎれない場合には、ナイフを使って切ってもOKです。
飲み物｜アフタヌーンティーの正しい作法
アフタヌーンティーのメインドリンクである紅茶の飲み方についてです。細かなマナーやおすすめの飲み方をご紹介します。
ウェルカムドリンクは軽く持ち上げて「乾杯！」
お店によっては、ウェルカムドリンクとしてシャンパンやスパークリングワインが提供される場合も。紅茶が運ばれてくるまでに飲むのがよいとされています。
乾杯するときは、自分の目の高さくらいにグラスを持ち、相手と目を合わせながら、「乾杯！」と同時に少し持ち上げるようにしておこないます。グラス同士をぶつけて乾杯しがちですが、あまりスマートではありません。
1杯目はストレート・2杯目はミルクで
紅茶の飲み方に明確な決まりはありませんが、まずは紅茶本来の味を楽しむためにストレートで飲むことがよいでしょう。
お店によっては、季節に合わせたこだわりの紅茶を提供していたりもしますので、本来の味を存分に楽しみたいところです。
また先述したように、イギリスの紅茶はミルクにも合うようにできています。そのため、ミルクティーで飲むのもおすすめ。
ぜひ二杯目は、ミルクをたっぷり入れたミルクティーとして楽しんでみましょう。
ローテーブルならソーサーを持って飲む
高めのテーブルであれば、ソーサーは置いたまま、カップのみを持ち上げて飲みますが、ローテーブルなど低めのテーブルであったり、テーブルと椅子の距離があったりする場合には、ソーサーを持って飲むとよいでしょう。胸の高さでソーサーごと持ち上げながら、いただきましょう。
このとき、カップの持ち手には指をかけず、つまむようにして持つと上品な印象に。また反対の手でカップをおさえないように気を付けましょう。この所作は「紅茶がぬるい」という表現になってしまい、ホストに気を遣わせてしまうことにもなりかねません。
おかわりは注いでもらう
紅茶をおかわりするときは、基本的にホストが注ぐものとされていますんで、できれば、サービングをしてくれるスタッフさんに注いでもらうのがよいでしょう。しかし、必ず注いでもらわないとダメというものでもありません。
ポットが提供されている場合でスタッフさんのタイミングが合わない場合などは、自分で注いでもOK。もちろんスタッフの方にお願いしてもよいです。
アフタヌーンティーでは、さまざまな種類の紅茶が用意されています。せっかくならいろいろな種類の紅茶を楽しみたいですよね！紅茶の種類を変えたい場合には、ポットの中身が残っていてもお願いできます。
しかし先述した通り、イギリスの紅茶はミルクによく合うものが多いです。ストレートとミルクティーで2つの味わいを存分に楽しむのがおすすめです。
ティースプーンは向こう側に
日本では、ティースプーンをソーサーの自分側に置くことが多いですが、本場英国ではカップの向こう側に置くのが一般的。カップをソーサーから持ち上げる時に、カップがスプーンに当たってしまうことを防ぐためなんだとか。
カチャカチャとスプーンが動いて気になってしまうこともありません。ぜひ実践してみましょう。
ミルクやお砂糖を入れて混ぜるときは、スプーンをぐるぐるかき回すのではなく、静かに上下させながら混ぜるようにし、カップに当たらないよう注意しましょう。
アフタヌーンティーの服装のマナーは？
アフタヌーンティーでは、必ず決まった服装はありませんが、お店の雰囲気に合わせて選ぶようにしましょう。
ホテルなど格式高い場所でアフタヌーンティーをいただく場合には、NGとされる服装が決められている場合もあるため、あらかじめ確認しておくのがよいでしょう。素肌が見えるサンダル、ダメージジーンズなどは特に避けることがおすすめです。また女性の場合は、過度な露出も控えたほうがよいでしょう。
女性であればワンピースやスカート、ブラウス、パンプス、男性であればジャケットとパンツに革靴など、レストランに赴くような気持ちでコーディネートを考えましょう。
よりカジュアルなカフェなどでは、あまり服装を気にしすぎる必要はありませんが、同じく少し整った服装を意識するのがよさそうです。
美しい作法でアフタヌーンティーを優雅に楽しもう！
頻繁に行くものではないものの、格式高い気分が味わえるアフタヌーンティーだからこそ、基本的なマナーは理解しておきたいところ。正しい作法を理解していれば、ゆったりとした時間を満喫できるでしょう。また大人として恥ずかしい思いをすることもありません！
最近では気軽にアフタヌーンティーを楽しめるお店も多いですが、ぜひ本場英国の作法に倣って、ここで紹介した基本マナーを実践してみてください。
美しい作法で頂けば、さらに優雅な時間を楽しめます。アフタヌーンティーに出向く際には、一度チェックしておくとよいでしょう。
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