アフタヌーンティーの正式な時間は?一日のティータイムを紹介

最近では、大人の女子会やデート、ちょっとした贅沢としてたくさんの人が楽しんでいるアフタヌーンティー。ホテルはもちろん、カフェやレストランなどでも、気軽に楽しめるようになりました。

とはいえ、アフタヌーンティーの正式な時間帯ってご存じですか?なんとなく楽しんでいるアフタヌーンティーですが、本当はどんな時間だったのか知っている人も多くないかもしれません。

せっかく楽しむのであれば、そのルーツや起源も知っておきたい!ということで、今回はアフタヌーンティーの正式な時間や起源を解説するとともに、本場英国の文化にもなっているその他のティータイムについてもご紹介します。

イギリス人にとっての紅茶とは?


イギリス人にとっての紅茶とは

そもそもアフタヌーンティーが生まれたとされるイギリスにおいて、紅茶はどのような存在なのでしょうか?

イギリス人はとにかく紅茶が好きで、1日に何回も紅茶を飲みのだとか。1人あたりの年間の紅茶の消費量は、約2.6㎏と言われ、平均して1日4~5杯を飲んでいる計算になります。

「イギリス人は日に7回紅茶を飲む」という言葉もあるほどで、実際に1日のさまざまな時間にあわせたティータイムが存在し、しっかりと名前もついています。そしてその発祥は古く、長い歴史に由来したティータイムもあります。またイギリス王朝を舞台にした映画や、イギリス発祥の物語などには、度々このような文化が登場します。それほど身近な文化ということなのでしょう。

時代や地域によって細かな違いはあるようですが、今回は特にポピュラーで代表的なティータイムを紹介していきます。

アフタヌーンティーの起源


アフタヌーンティーの起源

そもそものアフタヌーンティーの起源についておさらいしましょう。

アフタヌーンティーは、イギリス発祥の習慣であり、1840年頃に第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの夫人であるアンナ・マリア・ラッセルによって始められたと伝えられています。

当時はランプの普及や夜の社交の習慣化により、夕食が遅くなる傾向がありました。そのため昼下がりの時間に空腹を感じることもしばしば。その時間を苦痛に感じた夫人が、客人を招いて一緒にお茶を始めたことが始まりとされています。

やがてこの習慣が貴婦人達の間で社交文化として広まりました。また19世紀後半には中産階級にも広がり、広く一般的な喫茶習慣となりました。

アフタヌーンティーの正式な時間帯


アフタヌーンティーの正式な時間帯

正式な時間帯は、午後3時から5時ごろとされています。夕食前の小腹を満たすために、紅茶とサンドイッチやケーキ、スコーンなどちょっとしたお菓子や食事を楽しむ時間です。

ホテルやカフェなどでアフタヌーンティーを楽しむ場合にも、たいていこの時間帯を中心に催されていることが多いでしょう。日本では、午後のおやつ的な感覚で楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。

日本でもとてもポピュラーで、ちょっとした贅沢や女子会などで楽しまれることが多いアフタヌーンティー。しかし本場イギリスでは、アフタヌーンティー以外にもお茶を楽しむ時間帯がたくさんあります。

本場英国におけるその他のティータイム


その他のティータイム

日本でも馴染み深いアフタヌーンティーの他に、イギリスでは1日の間のさまざまな時間で紅茶を楽しんでいる文化があることを知っていましたか?

なかなか日本では知られていないさまざまなティータイムをご紹介します。

アーリーモーニングティー

アーリーモーニングティーは、その名の通り、早朝のティータイム。目覚めの一杯として、飲む紅茶です。元々はビクトリア時代の貴族の習慣でした。

ベッドティーとも言われ、当時は裕福な人々が朝の時間を指定して、メイドに紅茶をベッドまで運ばせていたものだそう。召使を持つ女主人だけの特権といったところでしょう。

レディーファーストの文化が息づくイギリスでは、夫が妻のために紅茶を淹れてベッドまで運んであげるものに変わっていったようです。現在では、休日や記念日などにはこのように妻のために紅茶を淹れてあげることがあるそう。

また、イギリスのホテルではあらかじめ申し込んでおけば、部屋までモーニングティーを出してくれるホテルもたくさんあります。必ずしも夫が妻に紅茶を淹れるものというわけではないものの、朝に紅茶を楽しむ人は多いそうです。

渋みのある濃いめの紅茶にミルクをたっぷり入れて、ミルクティーとして楽しむのがおすすめです。

ブレックファーストティー

ブレックファーストティーは、朝食と一緒にいただく紅茶のこと。イギリスでは古くから朝食にブレンドした紅茶を飲む習慣があり、元々は18世紀のイギリス女王アン女王が始めたと言われています。

ベーコンエッグやコーンフレーク、トースト、サラダなど盛りだくさんの朝食をゆっくりと時間をかけながら食し、それを引き立てる役割として紅茶を飲むようです。

よく「イングリッシュ・ブレックファースト・ティー」といわれるブレンドティーがありますよね。まさにこのティータイムに飲むためのブレンドティーです。しかし、このように呼ばれるようになったのは、イギリスではなく、イギリスの植民地であったアメリカが発祥だという説もあります。

ブレックファーストティーも、ミルクティーが好きなイギリス人が多いこともあり、ほとんどミルクに合うようブレンドされているといいます。

イレブンジズティー

イレブンジズティーは、午前11時頃の軽食タイム。一般的には、紅茶とともにビスケットを始めとした甘いお菓子を食べる習慣です。ビスケットを紅茶に浸して食べる「ダンキング」もよくやる習慣の一つ。

ティーカップではなく、マグカップとティーバッグで飲む10~15分くらいの時間を言い、イギリスだけではなくフランスやドイツを始めとしたヨーロッパやアメリカなど、さまざまな地域で楽しまれている文化です。

イギリスでは、労働者階級にとってもお茶が手頃な価格になった産業革命時代に広まったと考えられており、朝食と昼食の間の労働休憩として広く親しまれていた文化とされています。また、ビクトリア朝時代のメイドが仕事の合間に楽しんだティータイムとされている説もあります。

ハイティー

ハイティーは、午後6時~8時頃のティータイムで、食事と一緒にいただくものです。アフタヌーンティーなどとは異なり、労働者階級から広まったティータイム文化と言われています。元々はスコットランドやアイルランドの労働者の間から生まれた習慣です。

産業革命時代に、労働者の間でも広く一般的になった紅茶とともに、夕飯の食卓を囲む時ようになりました。「ハイティー」と呼ばれるのは、貴族がローテーブルで紅茶を楽しむのに対し、労働者たちは高さのある食卓で飲んでいたからなど、諸説あります。

別名「ミートティー」とも呼ばれ、疲れた労働者のための肉や魚の料理と一緒に飲まれたようです。ほとんど夕飯のようなもので、かなりボリュームのあるティータイムだったと言います。

アフタヌーンティーのような格式高い雰囲気や社交の場といった意味合いはなく、とてもカジュアルな時間だったよう。現在のイギリスでは、観劇などの前の軽い夕食を兼ねたティータイムといった位置づけになっているようです。

ナイトティー

ナイトティーは、就寝前に飲む一杯のこと。「ナイトキャップティー」とも呼ばれています。ベッドに入る前に、落ち着いた気持ちでくつろぎながら楽しむ時間です。寝る前に温かい紅茶を飲むことで、体も温まり、寝つきが良いと言われています。

お茶菓子などはなく、紅茶のみをゆっくり楽しむ時間。香りの高いブランデーやリキュールを少し垂らして飲まれることも多いようです。

カフェインのせいで眠りにつきにくい場合には、薄めに淹れたり、カフェインレスで楽しんだりするのもよいでしょう。香りのフレーバーティーやハーブティーを飲むにもピッタリのティータイムです。

実際に楽しめるアフタヌーンティーの時間は?


実際に楽しめるアフタヌーンティーの時間

先述したように、正式なアフタヌーンティーは午後3時~5時ごろと言われていますが、ホテルやカフェなどでは、お昼ごろから夕食前の午後6時ごろまでとされていることが多いようです。

もちろんお店によって時間は異なるため、必ず確認しておきましょう。意外にメニューが多いこともあるため、ランチは軽めに済ませておくのがよいかもしれません。

また夜の時間帯のいわゆるハイティーが楽しめるお店も。先述した通り、ハイティーは本来、ボリュームのある夕食的な意味合いがありますが、最近のホテルなどでは軽めの食事をアフタヌーンティー形式で提供している場合があります。前菜からメイン、デザートまでが揃っており、お酒も楽しめます。

洗練された格式の高い雰囲気はそのままに、ラウンジやダイニングなどで軽めのお食事とお茶やお酒をゆっくり楽しめる贅沢な時間。食事は軽めでいいけれど、優雅な雰囲気をゆっくり楽しみたいなら、こちらの時間帯もおすすめです。

アフタヌーンティーを始めとした紅茶の時間を楽しもう

アフタヌーンティーなどの紅茶の時間を楽しもう

いかがでしたか?イギリス人のティータイム文化が理解できたと同時に、その歴史も垣間見れたような気がしますよね。紅茶が大好きなイギリス人は、今でもこのようなティータイムをそれぞれに楽しんでいるようです。

日本でも朝のティータイムや夜のナイトティーは取り入れやすいのでは?最近では手軽に紅茶を淹れられる茶器や、たくさんの種類の紅茶が売られているので、生活にも気軽に取り入れられますよね。

イギリス人の歴史と文化を感じながら楽しめばもっとティータイムが優雅になりそう…ティーウェアや茶葉にもこだわりながら選ぶのもたのしい趣味になりそうです。

あなたもイギリス人にならって、日々のティータイムを楽しんでみては?

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